売掛債権担保融資保証制度の活用促進に伴う中小企業者が有する債権の譲渡に関する事務処理要領
第1章 総則
(目的)
第1条 この要領は、中小企業者である契約相手方が防衛庁に対して有する債権に関し、契約相手方から当該債権の譲渡について承諾の申請又は通知があった場合における事務処理に関し必要な事項を定め、もって適正な事務処理を図ることを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)本部長 装備本部長をいう。
(2)担当官 支出負担行為担当官又は分任支出負担行為担当官をいう。
(3)物別課室長 電子音響課長、通信電気課長、誘導武器課長、需品課長、武器課長、機械車両課長、艦船課長、航空機第1課長、航空機第2課長、輸入課長、電子音響課電子計算機室長、武器課弾火薬室長、艦船課特殊艦船室長及び航空機第2課回転翼室長をいう。
(4)契約相手方 担当官と契約を締結した者をいう。
(5)中小企業者 中小企業信用保険法(昭和25年法律第264号)第2条第1項に規定する者をいう。
(6)信用保証協会 信用保証協会法(昭和28年法律第196号)に規定する信用保証協会をいう。
(7)金融機関 中小企業信用保険法施行令(昭和25年政令第350号)第1条の2に規定する金融機関をいう。
(8)債権譲受人 契約相手方と担当官との間で締結した契約に基づき成立した債権を譲り受けようとする者又は譲り受けた者をいう。
(9)保証制度 事務次官通達(防管装第3544号 14.4.19)に規定する売掛債権担保融資保証制度をいう。
(特殊条項の適用)
第3条 物別課室長は、入札等における落札決定の後、予定価格が市場価格方式(調達物品等の予定価格の算定基準に関する訓令(昭和37年防衛庁訓令第35号)第2条第6号に規定する計算方式をいう。)により計算した計算価格を基準として算定された契約である場合には、速やかに落札者に対し中小企業者に該当するか否かの確認を行うとともに、落札者に中小企業者に関する質問及び回答(別記様式第1)(以下「質問及び回答」という。)を配付し、回答を記入の上契約書提出までに提出するよう求めるものとする。ただし、落札者が既に当該年度における別の契約において質問及び回答を提出しており、中小企業者か否かが明らかである場合には、質問及び回答を提出させることを省略することができる。
2 物別課室長は、前項の規定による落札決定後の確認の結果、落札者が中小企業者であることが判明した場合には、「債権譲渡禁止特約の部分的解除のための特殊条項」(以下「特殊条項」という。)(別記様式第2)を付すものとする。
3 物別課室長は、前項の規定により特殊条項を付す場合には、契約相手方に対し、債権譲渡を行う場合の事務手続等について周知するよう努めるものとする。
(既契約の措置)
第4条 物別課室長は、既に締結している契約において、中小企業者である契約相手方から保証制度の利用について協議があった場合には、前条の規定を準用し、契約の変更の手続を採り、特殊条項を付すものとする。
第2章 承諾等の手続
第1節 債権譲渡承諾申請書の場合の手続
(譲渡に係る申請書の受理等)
第5条 契約相手方が債権の譲渡について、特殊条項の規定に基づき担当官の承諾を受けるため提出する書面の受理は、物別課室長が行うものとする。
2 物別課室長は、前項の規定により書面を受理する場合は、当該契約に係る物品管理官等の契約物品受領後であることとし、契約相手方から次の各号に掲げる事項を明らかにした債権譲渡承諾申請書(以下「申請書」という。)(別記様式第2別紙1)4部を提出させるものとする。
(1)債権譲渡の対象となる契約の調達要求番号、契約品名、納期、認証番号及び認証年月日
(2)譲渡債権の額
(3)債権譲受人の指定する口座の表示
(4)契約相手方のかし担保責任は、継続して契約相手方が負担するものであること。
(5)債権の譲渡に係る費用は、契約相手方の負担であること。
3 物別課室長は、前項の規定により提出させる申請書には、次の各号に掲げる書面を添付させるものとする。
(1)受領検査調書の写し
(2)契約相手方と債権譲受人との間の「債権譲渡担保契約証書」の写し
(3)発行日から3箇月以内の契約相手方及び債権譲受人の印鑑証明
4 物別課室長は、第2項の規定により申請書を受理するに当たっては、提出書類等に不備のないことを確認した上、受理するものとする。
(確認及び決裁)
第6条 物別課室長は、契約相手方から前条第2項に基づく申請書を受理した場合には、次の各号のいずれにも該当する債権であることを確認するものとする。
(1)中小企業者である契約相手方が防衛庁に対して有する債権であって、信用保証協会及び当該中小企業者と取引のある金融機関に対し、当該金融機関からの融資の担保として譲渡されるものであること。
(2)契約相手方が履行を完了して受領検査調書(受領検査調書を交付しない契約にあっては契約の履行が完了したことを示す書類をいう。以下同じ。)の交付を受けており、担当官として同時履行の抗弁権を行使する必要のない債権であること。
(3)契約金額が確定し、代金が確定した債権であること。
2 物別課室長は、第1項に規定する事項以外にも承諾に必要な要件を満たしているものか否かについて確認を行い、債権の譲渡の承諾の可否について会計課長を経て担当官の決裁を受けるものとする。この場合において、債権の譲渡の承諾を否とするときは、その措置について明らかにしなければならない。
(決裁後の措置)
第7条 物別課室長は、前条の規定により担当官の決裁を受けた場合には、契約相手方及び債権譲受人に債権の譲渡の承諾の可否について通知を行うものとする。この場合において、可とするものにあっては、会計課長に債権譲渡承諾書(以下「承諾書」という。)の正本を送付し、否とするものにあってはその理由について明らかにしてその旨の通知を行うものとする。
2 前項の規定により契約相手方及び債権譲受人に行う通知は、申請書受理後遅滞なく行うものとし、合理的期間内に通知できない場合は、その旨を契約相手方に通知するものとする。
3 会計課長は、第1項の規定により物別課室長から承諾書の送付を受けたときは、代金の支払いを申請書に記載された口座に対して行うものとする。この場合においては、請求書と当該申請書との口座等について十分な確認を行うものとする。
第2節 債権譲渡通知書の場合の手続
(譲渡に係る通知書の受理等)
第8条 契約相手方が債権の譲渡について、特殊条項の規定に基づき債権譲渡を行った旨を担当官に通知する書面の受理は、物別課室長が行うものとする。
2 物別課室長は、前項の規定により書面を受理する場合には、契約相手方から次の各号に掲げる事項を明らかにした債権譲渡通知書(以下「通知書」という。)(別記様式第2別紙2)1部を提出させるものとする。
(1)債権譲渡の対象となる契約の調達要求番号、契約品名、納期、認証番号及び認証年月日
(2)譲渡債権の額
(3)債権譲受人の指定する口座の表示
(4)契約相手方のかし担保責任は、継続して契約相手方が負担するものであること。
(5)債権の譲渡に係る費用は、契約相手方の負担であること。
3 物別課室長は、前項の規定により提出させる通知書には、次の各号に掲げる書面を添付させるものとする。
(1)受領検査調書の写し
(2)契約相手方と債権譲受人との間の「債権譲渡担保契約証書」の写し
(3)発行日から3箇月以内の契約相手方及び債権譲受人の印鑑証明
4 物別課室長は、第2項の規定により書面を受理した場合には、遅滞なく次の各号のいずれにも該当する債権であることを確認するものとする。
(1)中小企業者である契約相手方が防衛庁に対して有する債権であって、信用保証協会及び当該中小企業者と取引のある金融機関に対し、当該金融機関からの融資の担保として譲渡されるものであること。
(2)契約相手方が反対給付の履行を完了して受領検査調書の交付を受けており、担当官として同時履行の抗弁権を行使する必要のない債権であること。
(3)契約金額が確定し、代金が確定した債権であること。
5 物別課室長は、第4項に規定する事項以外にも契約相手方と債権譲受人との間で予め承諾している事項等について通知書の内容を確認しなければならない。
(通知書に不適格な事由がない場合の措置)
第9条 物別課室長は、前条第4項に規定する事項について要件を満たしていることが確認され、かつ、通知書に不適格な事由がないと認められるときは、会計課長を経て担当官に報告するものとする。
2 物別課室長は、前項の規定により担当官に報告した場合には、通知書の正本を会計課長に送付する。
3 会計課長は、前項の規定により物別課室長から通知書の送付を受けたときは、代金の支払いを申請書に記載された口座に対して行うものとする。この場合においては、請求書と当該申請書との口座等について十分な確認を行うものとする。
(通知書に不適格な事由がある場合の措置)
第10条 物別課室長は、契約物品等が受領されていないことが確認されたとき又は契約金額が確定していないときは、直ちに、会計課長を経て担当官に報告するとともに、契約相手方及び債権譲受人に対し、次の各号に掲げる事項を通知するものとする。
(1)契約相手方と「債権譲渡禁止特約の部分的解除のための特殊条項」を付して契約していること。
(2)契約物品等が納入された後でなければ、防衛庁に対する支払いの請求は行えないこと。
(3)契約金額が確定しておらず、契約金額が変動する可能性が十分あること。
(4)通知書に記載された債権譲受人の指定する口座に代金を支払えないこと及び要件を満たせば当該口座に代金を支払うこと。
2 物別課室長は、前項の規定により契約相手方及び債権譲受人に通知した場合には、必要な事項を会計課長に通知するものとする。
3 物別課室長は、契約物品等が受領されていないこと又は契約金額が確定していないこと以外で通知書の内容に不適格な事項を認めたときは、直ちに、契約相手方に対し、その旨及び特殊条項の規定に反している旨を通知し修正等の上再度提出させるものとする。この場合、前2項の規定を準用するものとし、会計課長への通知に際しては、通知書の写しに不適格な箇所を明示し併せて通知するものとする。
4 物別課室長は、前項の場合において、契約相手方から適格な通知書が再度提出され、かつ、契約物品等が受領されていること及び契約金額が確定していることが確認されたときにおいては、第9条の規定を準用して措置するものとする。
5 物別課室長及び会計課長は、第3項の場合においても当該債権譲渡が適法である限り、契約相手方から適格な通知書が再度提出される前に適法な支払い請求があり、かつ、契約物品等が受領されていること及び契約金額が確定していることが確認されたときは、通知書に記載されている口座に代金を支払わなければならぬことに留意するものとする。
第3章 代金の支払い
(代金の支払いに当たっての注意)
第11条 物別課室長は、支出負担行為書(契約事務に関する達 平成18年装備本部達 第4号 別記様式第59号をいう。)(以下「行為書」という。)を作成する必要のある場合には、行為書の相手方の欄又は適当な余白に、代金債権について債権の譲渡があった旨及び債権譲受人の住所、氏名を付記するものとする。
2 会計課長は、債権譲渡に係る代金の支払いに当たっては、振込先の口座等を十分確認し行うものとする。
3 物別課室長及び会計課長は、連絡調整を確実に行い、適正な事務処理に努めるものとする。
第4章 雑則
(提出された書類の確認に当たっての注意)
第12条 物別課室長は、申請書の受理及び確認に当たっては、契約相手方から各確認事項について聴取を行い、後日の紛争防止に努めるとともに、今後の同種の業務の参考とするため記録することに努めるものとする。
(申請及び承諾並びに通知の状況管理)
第13条 物別課室長は、債権譲渡整理簿(別記様式第3)により債権譲渡の申請及び承諾並びに通知の状況を整理するものとする。
(経理装備局長への報告)
第14条 物別課室長は、債権譲渡の実施状況に係る報告書(別記様式第4)により企画調整課長に通知するものとする。
2 企画調整課長は、前項の規定により送付された債権譲渡の実施状況について、本部長の決裁を受け、経理装備局長に報告するものとする。報告に関する細部事項については企画調整課長が定める。
(特例)
第15条 この要領により難い場合は、その措置について本部長の決裁を受けるものとする。
2 この要領において、電子音響課電子計算機室長、武器課弾火薬室長、艦船課特殊艦船室長及び航空機第2課回転翼室長が決裁を受け又は報告を行う際、所属する課長については、合議又は報告を要しないものとする。
附 則
1 この要領は、平成18年7月31日から施行する。
2 この要領の実施に当たっては、「契約事務に関する達」(平成18年装備本部達第4号)第102条から第105条に定める事項及び「中央調達に係る契約相手方が有する債権の譲渡の承認手続要領について(通達)」(装本企調第93号 18.7.31)に定める事項については適用しない。
別記様式第1
別記様式第2
債権譲渡禁止特約の部分的解除のための特殊条項
甲及び乙は、債権譲渡禁止特約の部分的解除に関し、次の特殊条項を定める。
(債権譲渡禁止特約の部分的解除)
第1条 契約条項第 条の規定にかかわらず、乙が中小企業者(中小企業信用保険法(昭和25年法律第264号)第2条第1項に規定する者をいう。以下同じ。)である場合には、乙が売掛債権担保融資保証制度を利用することが可能なときに限り、乙は、信用保証協会及び中小企業信用保険法施行令(昭和25年政令第350号)第1条の2に規定する金融機関に対し、甲に対する売掛債権を譲渡することができる。
2 前項の規定に基づいて売掛債権の譲渡を行った場合、甲の対価の支払いによる弁済の効力は、甲が支出に関する事務を電子情報処理組織を使用して処理する場合における予算決算及び会計令等の臨時特例に関する政令(昭和55年政令第22号)第5条第1項に基づき、センター支出官に対して支出の通知を行った時点で効力を生ずるものとする。
(譲渡可能な売掛債権)
第2条 前条第1項の規定により乙が譲渡することのできる売掛債権は、乙が当該売掛債権を譲渡しようとする時点において、乙が反対給付の履行を完了していることを、甲が受領検査調書の交付や納品書の受領などにより確認しており、かつ、その金額が確定しているものとする。
(部分払、前金払又は概算払との関係)
第3条 乙は、第1条第1項の規定により売掛債権を譲渡しようとする時点において、既に甲からこの契約に係る代金の部分払、前金払又は概算払を受けている場合には、確定した契約金額と既に支払いを受けている金額との差額のみ譲渡することができる。
(承諾申請及び通知の様式)
第4条 乙は、甲に対し売掛債権の譲渡の承諾申請又は通知を行う場合には、必要書類を添付の上、承諾申請は別紙1により、通知は別紙2により行わなければならない。
(承諾の様式)
第5条 甲は、乙からの債権譲渡の承諾申請について承諾する場合には、譲渡の対象となる売掛債権が第2条に規定する要件を満たすことを確認の上、別紙1により異議を留めた承諾をするものとする。
(甲の権利及び利益)
第6条 甲及び乙は、乙の売掛債権の譲渡が、担保責任に係る権利、債務不履行等による契約の解除権、期限の利益、部分払、前金払又は概算払による債務の一部消滅、契約条項に基づく契約金額の変更その他契約内容の将来の変更、その他この契約に基づき甲が有する権利及び利益に一切の影響を及ぼさないよう、必要な措置を講じなければならない。
2 乙は、甲に対する売掛債権を譲渡しようとする場合には、あらかじめ信用保証協会及び金融機関に対し、契約条項(特約条項、特殊条項を含む。)及びこの特殊条項の内容を説明しなければならない。